同一労働同一賃金が本格的に始まりました。しかし、施行している現状で今後どのように考えていけばよいのか、予測しにくいところもあると思います。今回は同一労働同一賃金導入に伴う企業として知っておく点についてお伝えしていきます。
同一労働同一賃金とは?
同一労働同一賃金とは、同じ仕事をすれば同じ給料を貰うことです。
近年、非正社員の比率が高まっている状況で、政府は働き方改革を明言しました。現状として正社員と非正社員の待遇差を改善して、多様化する働き方を選べる状態に改善していくことを目指して実施しています。
2020年4月に大企業で先行導入され、2021年4月からは中小企業でも導入されています。体制の変化に伴い企業としても準備と施行が求められています。
2018年6月に働き方改革関連法の成立したことで更に意識が高まっていることを知っておく必要があります。
同一労働同一賃金に対する諸外国の見方
同一労働同一賃金はどのように諸外国では見ているのでしょうか。見解は人権の保障に伴う差別的取り扱いの禁止を前提になっています。
性別や人権、障害、宗教、信条などを理由とした差別は禁止事項として考えられています。
つまり、人権保障をしたうえで、同一労働同一賃金を受け取ることが重要視されています。海外諸国は特に人権について先進的な考え方を持っているので、日本と異なる事情が現実問題としてあります。
そのため、日本で検討している感覚とはいくつか相違がみられることがあります。
同一労働同一賃金に対する日本の見方
同一労働同一賃金が海外と日本で異なる点が、企業ごとに労働条件を設定していることが多いため、雇用形態の違いによる格差を是正することに重点を置いています。
正社員と同等の勤務形態で非正社員が仕事を行っている場合には、格差なく同等の賃金を得る必要性があります。正当な理由がなければそれを遂行することが重要になります。
同一労働同一賃金の成立は、諸外国の背景を知ることによって理解を深めるために必要と言えます。
同一労働同一賃金のメリット・デメリット
同一労働同一賃金について、労働者と雇用者にとってどのようなメリット・デメリットは何があるのでしょうか。
労働者のメリットは、賃金ばかりではなく教育訓練・福利厚生の機会も得ることが出来る点です。
今までは、正社員のみが受けられていたことが、非正社員も同様の機会を得ることでモチベーションの向上や技能・知識を身に付けることが可能になります。そのため、業績の向上にも繋がります。
更に、多くの企業が問題に直面している少子高齢化による人材不足の解決策としても注目されています。非正社員が戦力になることで、潜在的な能力を引き出し、活躍の場が広がることにも繋がり、労働力の確保も可能になります。
また、労働意欲が高まるのは勿論、新規採用する時、企業として選んで貰える環境づくりに一役買うことにも繋がります。
デメリットとしては、同一労働同一賃金を施行するにあたり、非正社員に掛かる経費は増加する点です。しかも教育訓練や福利厚生も含まれるため、賃金以外にも費用が増加することも視野に入れておく必要があります。
特にパートや派遣社員を職場で多く採用している会社は、人件費が膨らむことによって、経営にも支障が出るリスクを確認しておくことは重要です。
また、非正社員同士も配属される職務に応じて賃金が決まってくるため、配属先や仕事内容によって賃金格差が出てしまうことも考えられます。
例えば、配置に伴って請け負う仕事が異なる場合、同等の力を持っているとしても報酬金額が変わってしまうケースは有り得ます。その時、働いている人に納得感のある説明を行うことが求められます。
全ての労働者に合った労働条件については、思ったようにいかないのが事実です。非正社員に新たな格差を生み出す場合も考えられます。
まとめ
今回は同一労働同一賃金に導入に伴う企業として知っておく点についてお伝えしました。働き方改革に伴って多様化した労働形態が生まれていることは事実です。
今後、更に労働力の減少が進む現状です。企業の発展の為に適切な経営をどうするべきか検討していきましょう。